H. Takegami and T. Morinari, “Static and dynamical spin correlations in the Kitaev model at finite temperatures via Green’s function equation of motion” がPhysical Review Bに掲載されました(Physical Review B 111, 054413 (2025)).Kitaev模型は,基底状態の厳密可解性と量子コンピュータへの応用の可能性から注目されている量子スピン液体のモデルです.本研究では,従来のMajoranaフェルミオン手法とは異なるアプローチとして,spin Green関数の運動方程式を用いて有限温度での特性を解析しました.この手法により,スピン相関,磁化率,動的スピン構造因子といった物理量を統一的に計算することが可能となり,Kitaev模型の熱力学的挙動について新たな洞察を得ることができました.磁場や非Kitaev相互作用を自然に取り入れることができるため,次なるステップとしてKitaev模型の候補物質への適用を目指します.
