修士2年の中村優希さんの論文がJ. Phys. Soc. Jpn.のLetterに出版されました.有機導体α-(BEDT-TTF)2I3における3次元ディラック半金属状態の量子異常効果を理論的に解析した論文です.ディラックコーンの傾きを取り入れたモデルに基づき,ベリー位相効果を取り入れて磁気伝導度を理論計算し,最近の実験で確認されたプラナーホール効果と整合する結果を得ています.実験の論文も近々出版予定で,これらの論文により,擬2次元系として研究されてきた有機導体α-(BEDT-TTF)2I3が,低温で場の理論における量子異常効果と関係した3次元ディラック半金属として振舞うことが明らかになってきました.
