京都大学の森成物性理論研究室のホームページです。


銅酸化物高温超伝導における短距離反強磁性相関と擬ギャップ

銅酸化物高温超伝導における短距離反強磁性相関と擬ギャップ

最近のYBCO系の磁気トルク実験を,短距離反強磁性相関効果で説明する論文(J. Phys. Soc. Jpn. 87, 063707 (2018))が出版されました.理論と実験は良い一致を示しています.また,擬ギャップ温度は反強磁性相関長と格子定数(の2倍)が一致する温度になります.短距離の反強磁性相関が,銅酸化物高温超伝導体の物理において重要な役割を演じるのは必然だと思いますが,短距離相関を理論的に扱うのは容易ではありません.また,実験的にも難しい面があります.この点が擬ギャップの本質の解明を難しくしている要因です.スピンのGreen関数の運動方程式を考えると,反強磁性の短距離相関効果を取り入れることが可能です.この手法を用いて,色々と調べていく予定です.(2018/05/16)

▲PAGETOP